ページトップへ

大分市のマイクロスコープによる世界レベルの歯科治療は【あべ歯科クリニック】へ

あべ歯科クリニック
0120-25-8469
午前の受付/09:00〜12:30
午後の受付/13:30〜16:30
お知らせ
News

HOME > お知らせ > 大きなむし歯は、全部削ればいい?――歯の神経を守るためのむし歯治療

大きなむし歯は、全部削ればいい?――歯の神経を守るためのむし歯治療

大きなむし歯が見つかったとき、「むし歯になった部分は、全部削り取ったほうがいい」と思われている方は多いのではないでしょうか。

 

しかし、むし歯が歯の神経(歯髄)の近くまで進行している場合、「全部削り取ること」が必ずしも最善とは限りません。

なぜなら、むし歯を完全に取り切ろうとすることで、健康な歯質を余分に削ったり、歯髄を露出させたりする可能性があるからです。

現在のむし歯治療では、歯髄を守り、できるだけ多くの歯質を残すことが重要な考え方になっています。

 

大きなむし歯ほど「どこまで削るか」が重要です

 

むし歯が深くなるほど、歯髄との距離は近くなります。

このような場合、むし歯をすべて取り除こうとして深く削ると、歯髄が露出してしまうことがあります。

歯髄が露出すると、神経を残すことが難しくなり、場合によっては根管治療が必要になることもあります。

 

そこで、歯髄がまだ健康な状態であれば、**深部のむし歯を無理にすべて削り取らず、必要な範囲を選択的に除去する「選択的う蝕除去」**という方法が選択肢になります。

これは「むし歯を残して放置する」という治療ではありません。

むし歯の状態を診断したうえで、歯髄を守ることを目的として削除範囲を調整し、その後に適切な修復によって封鎖します。

 

「むし歯を残して、本当に大丈夫なの?」

 

ここは患者様が最も不安に感じるところだと思います。

選択的う蝕除去では、深い部分のむし歯を意図的に残すことがあります。

しかし重要なのは、単純にむし歯を残すのではなく、診断に基づいて適切に管理することです。

歯髄の状態、むし歯の深さ、症状、レントゲン所見などを総合的に判断し、その歯にとって最も適切な治療方法を選択します。

 

アメリカ歯科医師会(ADA)の2023年ガイドラインでも、歯髄が生きている永久歯の中等度・進行したむし歯に対して、すべてのむし歯組織を非選択的に除去する方法よりも、選択的う蝕除去が推奨されています。

ただし、すべての大きなむし歯に適用できるわけではありません。

すでに歯髄が不可逆的な炎症や感染を起こしている場合などには、根管治療が必要になります。

 

大きなむし歯ほど「診断」が重要です

精密なむし歯治療というと、「マイクロスコープで拡大して削る」ことをイメージされるかもしれません。

もちろん、拡大視野で細かな部分を確認しながら治療することは有用です。

しかし、本当に重要なのは、見えたものを正しく診断し、その情報をもとに治療方針を決めることです。

 

例えば、

  • むし歯は歯髄のどこまで近づいているのか
  • 歯髄はまだ健康なのか
  • 痛みの原因は何なのか
  • むし歯は活動性なのか
  • どこまで削る必要があるのか
  • その歯をどのように修復すればよいのか

こうした情報を総合して判断します。

つまり、**精密治療の出発点は「精密に削ること」ではなく、「精密に診断すること」**なのです。

 

大きなむし歯では、

「むし歯を全部取り除けば安心」

とも、

「できるだけ削らなければいい」

とも一概には言えません。

削りすぎれば歯髄を傷つける可能性があります。

一方で、適切な診断や封鎖をせずにむし歯を残せば、病変が進行する可能性もあります。

だからこそ、「どこまで削るか」を症例ごとに判断することが重要になります。

 

 

むし歯治療のゴールは「むし歯を全部削ること」ではありません

 

大きなむし歯の治療で目指すのは、単純に「むし歯を全部削り取ること」ではありません。

できるだけ健康な歯質と歯髄を守り、その歯をできるだけ長く使える状態にすること。

そのためには、

正確な診断

歯髄とむし歯の状態を評価

必要な範囲のむし歯除去

適切な修復・封鎖

むし歯リスクの管理

定期的な評価

という一連の治療・管理が重要です。

 

精密な器具や技術は、そのための重要な手段です。

しかし、歯を長く残せるかどうかは、精密に削れるかどうかだけで決まるものではありません。

歯科医院での精密な治療と、患者様ご自身の日々のリスク管理。

その両方がそろって、初めて「歯を守る治療」につながります。