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むし歯はどこまで削ればいいのか⑨2019 AUN version

むし歯はどこまで削ればいいのか⑨

 

整理してまとめてみよう。

 

小さなむし歯で歯髄に問題が及ばない場合には

完全なう蝕除去でも部分的なう蝕除去でもいい。

そしてラバーダム防湿下で
確実な充填とプラークコントロールしやすい修復を行う。

 

 

中度から重度のむし歯(国際う蝕コンセンサスコラボレーション会議(ICCC)ではX線的に象牙質歯髄側1/3あるいは1/4の深さとしている)ではソフト象牙質まで除去すべきとしている。

 

世界的にはう蝕の除去は硬さが基準なのだ。

 

ソフト象牙質と言われても客観性がなく難しいので

日本保存学会はう蝕検知液の使用を推奨している。

 

ポリプロピレングリコール染色部であっても徹底的な除去は必要ない。

歯髄温存の為、

う蝕中央部軟化象牙質の除去はエキスカベーターで押しても水分の滲まない、

カリカリと音がする範囲までに留めておく。

セメントエナメル境(CEJ)部は十分で確実なシーリングの為に健康な象牙質を求める

 

歯髄診断でNomalと診断し

露髄しないようにエキスカベーターを使って

軽い力で除去していても露髄することがある。

露髄したということは

象牙芽細胞を除去してしまったことを意味する。

 

象牙質・歯髄複合体から象牙芽細胞が無くなってしまった

直接覆髄からは修復象牙質は作られないため

部分的なう蝕除去的アプローチは治療の失敗を意味する

 

だからこれより進行したう蝕処置では頭を切り替えて、処置しなければならない

 

可及的な感染源の除去が治療の成功に不可欠となる。

 

 

ちなみに直接覆髄や断髄の症例で認められるデンチンブリッジは象牙質ではない。

象牙芽細胞がないので当然だが、それは線維芽細胞由来の硬組織である。

レントゲンで不透過像があっても、そこには象牙細管もないし空胞も多い。

 

 

 

再石灰化を期待して残すべきとされている無菌層は

歯髄由来のカルシウムイオンやリン酸イオンがう蝕第2層を再石灰化させるからであり、

歯髄がなくなれば再石灰化はしない

 

う蝕影響象牙質は健全象牙質に比べレジンの接着力は劣るため

感染源を取り残すリスクを考えれば徹底的に硬い層まで除去したい。

 

 

歯髄に近い場合には細菌で汚染された、あるいは脱灰した組織はすべて除去する必要がある

というのは象牙芽細胞の減少と歯髄への感染の可能性を疑うからに他ならない。

 

顕微鏡下で歯髄の診査診断を行うべきだろうが

それはマイクロデンティスト、顕微鏡歯科医師でなければ達成できない

 

 

 

つまりむし歯の除去は

歯髄診断を行なった後に

その患者さんの年齢

そのむし歯の大きさによって

部分的なう蝕除去完全なう蝕除去を行うかの

2通りから除去方法を選択することになる