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破折リーマーの除去もさまざま 紹介の仕方もさまざま

水酸化カルシウムを貼薬をして1週間後

2回目の治療

 

症状は既に無くなっており

拡大洗浄を終わらせ根管充填、充填までを予定している。

 

仮封は外れていない

 

浸潤麻酔後

歯面清掃を行い

ラバーダム防湿

消毒をおこなって

仮封除去

 

 

水洗を行い水酸化カルシウムを除去

再度EMR根管長を測定する

26mm

歯冠を残しているため長い!!

レントゲンで根尖付近まで操作されていそうなので

作業長はギリギリの0.5mmアンダーでいこうと決め

切縁から25.5mmとした

 

使用しているNiTiファイル(ニッケルチタンファイル)

HyFlex™ EDM

は25mmまでなのでストッパーは使わずにシャンクのチャック部位を目標に

作業長まで拡大することとした

 

 

大きなHファイルで作業されていたが

根尖は破壊されていないといいのだが

#10でスルスル

 

抵抗があったのが#40・04からだった

#50・03

#60・02まで拡大した。

 

いったいどこまで拡大するのかも知らないのかもしれない。

 

ファイルが抵抗を感じたサイズと実際の根尖部長径に相関は認められない

(Wu M-K, Barkis D,Roris A and Wesselink 2002)

 

はるか昔に風の噂で聞いた

最初に結合するファイルより3つ大きいサイズにすることで
根管壁をファイリングできるかも不明

 

というか多分できない

 

 

 

今回は太さとテーパーを考慮して

手持ちの

HyFlex™ EDMで一番太いファイルまで拡大した。

 

 

 

ちなみに自由診療である

精密根管治療のNiTiファイルは患者ごとに新品を使っている

1本¥2,500円程度するので

約¥10,000は使い捨てている

 

 

 

というか

ホントウは滅菌して保険の患者さんで使用している

 

ただ、

 

NiTi回転器具の66%~78%および91%が、
それぞれ繰返し疲労故障および熱疲労故障のために破断したと報告されている(Shen et al., 2009)

ことは知っておいた方がいいかもしれない。。。

 

 

拡大中も洗浄を繰り返しているが

拡大終了後

GP試適を行い

最終洗浄

根管充填へと進んだ。

 

根管充填は#60・02シングルコーンテクニックで行った

 

根管充填後

支台の補強をどうするか悩んだが

ブリッジの支台であること

前医の支台築造の接着の不安から

歯頸部をグラスファイバーで補強しておくことにした。

 

 

根管充填後の接着操作は

非常に難易度が高い

 

先月、埼玉のA先生に大分まできていただいて教えていただいた

ファイバーアレンジメントを行った

 

スリーブ2枚

1.25ミリの光グラスファイバー1本

 

ファイバーアレンジメントは計画に入れていなかったので無償で追加した。。。

 

その後オペークレジンの上からコンポジット充填を行い終了した。

 

今後は外科の必要性の可能性を再度伝え経過観察に入る。

シーラーが出ているのは根尖の病変がまだ治癒傾向に入ったばかりだからだと思われる

とにかく慎重に経過を診ていく必要がある。

 

ファイバーの補強はどうだろう

 

レントゲンでは短く見えるがGPは切縁から15mmカットした。

骨縁下までは補強できている

応力のかかる歯頸部付近の補強と

少々ぺリオになっても象牙細管からの感染を防ぐこともできると思う

 

経過が良ければ作ったばかりのブリッジは外さずに再補綴はしなくてもいいのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

治療費:¥110,000

治療期間:1週間

治療回数:2回

治療時間:60min+60min

 

 

 

リーマーの破折を含め根管治療の偶発症は主に重度に湾曲した(35度以上)根管(大臼歯の15~20%)に起こると言われている

1986 L E StadlerA WennbergL Olgart

 

 

器具破折の発生率は、0.4%から23%までと幅広い

(Alapati et al., 2005; Al-Fouzan, 2003; Iqbal et al., 2006; Pettiette et al., 2002; Ramirez-Salomon et al., 1997; Schafer et al., 2004; Spili et al., 2005)

 

歯内療法専門医と一般開業医のそれぞれ93.6%と79.5%が器具破折を経験しており(Madarati et al., 2008)

素人だろうが専門医だろうが起こってしまう偶発症だ

 

 

破折リーマーは無菌的な根管治療がされていれば

問題にならないことも多い

 

ただ病変があり症状がある場合

外科治療が選択できない場合には除去した方がいいだろう

 

 

今回は運良く保存的な対応で予後を見ていくことになったが

 

破折リーマーを除去することに躍起になって

残存歯質が薄くなってしまい

歯根破折(VRF)が起こる可能性を上げてしまうことも考えられる。

 

部位によっては外科治療で除去したり根尖の封鎖を行った方が予後がいいかもしれない。

 

病気が治ればいいのだから

 

 

リーマーの破折は気づかない、黙っている先生もいるので

患者さんもレントゲンを見れるようになった方がいい。

 

 

この患者さんは先に日赤病院に紹介され

日赤では除去キットが無いからとそこからウチを紹介され

(うちにも除去キットはないのだが)

主治医の先生が再度しっかりうちに連絡してきて紹介で来院された

 

その患者さんはうちでの追加治療を希望されたが、絶対に診ることは無い

 

主治医の先方には報告書と

患者さんには6ヶ月、1年の再評価での来院をお願いしている。

 

 

 

最近

 

会ったこともない先生で

根管治療を簡単に諦め

マイクロスコープを持っていないからと

簡単にうちの医院名を伝えるがいる

 

電話やFax、紹介状も何もなしでだ。

 

患者さんはその先生に紹介されたと言う。。。

 

 

患者さんにもうちにも失礼極まりない

 

絶対そこには戻らない方が患者は幸せだろう。

 

そんな

マイクロスコープを持ってもきちんとした歯科治療ができるはずない

からだ

 

それでも知らずに手をだす人たちよりまだマシか

 

大変申し訳ないが(忙しくてしょうがないのだろうが)患者さんのために既往を伝える位はお願いしたい。